船橋駿馬伝説

復活!船橋駿馬伝説 Vol.1
アジュディミツオー

「船橋を代表する1頭」ではない。
「日本を代表する1頭」だ。
JRAの強豪とも戦い、何度もG1を制した。
日の丸を背負ってドバイへも行った。
威風堂々たる馬体は、立っているだけでも人々の目を引く。
そして彼が歩き、走れば、その力強さと柔軟さはさらに万人を魅了する。
誰が見ても特別な1頭と分かる馬。
それがアジュディミツオーだ。
これだけの馬が、船橋にはいた。

馬詳細データ
アジュディミツオー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.2
アブクマポーロ

中央競馬と地方競馬の所属馬が激突するダートグレード競走。
その黎明期をリードしたのは地方勢であり、さらにその中心に居たのがアブクマポーロだった。 地方競馬ファンの期待を一身に受け、砂上のプライドを全身にみなぎらせていたアブクマポーロ。
どんな相手とでも、どんな条件でも、背負った責任に応えるレースをしてくれた。
引退から10年を経てなお、ダート最強馬としてアブクマポーロの名を挙げる者は多い。

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アブクマポーロ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.3
インテリパワー

北海道からJRA、川崎、そして船橋とホームコースを移しつつ、常に新しい環境に適応する賢明さを見せたインテリパワー。
船橋へやってきたときには既にG1タイトルも持つ王者の立場だったが、馬体はさらに成長し、ますます凄味を感じさせていた。
その集大成がダイオライト記念。
538キロの馬体を揺らし力強く抜け出した様は、風格という言葉そのものだった。
知性と力、一見相反する2つの要素を馬名に併せ持ったインテリパワーは、その双方を駆使してダート戦線を駆け抜けた。

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インテリパワー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.4
チャームアスリープ

中央競馬・地方競馬それぞれに三冠と呼ばれるレース体系は数々存在するが、そんな中でも南関東の牝馬三冠は挑む者にとって非常に厳しい条件だ
3レースとも異なる競馬場、距離。
短期間に3連勝を要求されるローテーション。
そんな難関を、堂々突破して見せた馬は未だチャームアスリープ一頭しかいない。
強靭な差し脚、たぐい稀な勝負根性、勝利への強い意志。
競馬ファンにとって2006年の春は、間違いなく「チャームアスリープの春」だった。

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チャームアスリープ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.5
トーシンブリザード

単勝式の払戻金、100円。
ジャパンダートダービーにおける、トーシンブリザードの単勝オッズは、最後まで1.0倍を示し続けていた。
南関東の同期だけでなく、JRA勢を迎えてなお「元返し」だったことは、その強さがどれだけ傑出していたかの証明だ。
2001年の春、中央競馬ではアグネスタキオンやクロフネ、ジャングルポケットといった3歳馬がターフを盛り上げていた。
しかし、「あの春の最強3歳馬は、トーシンブリザードだった」と、南関東ファンは今でも胸を張って言える。
「吹雪の吹き荒れた春」は、それだけ鮮烈なものだった。

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トーシンブリザード

復活!船橋駿馬伝説 Vol.6
ナイキアディライト

ナイキアディライトの競走成績を振り返るとき、そこに浮かんでくるのは不屈の精神だ。
連勝記録を誇るタイプの名馬ではない。
圧倒的な強さで3歳の2冠を制しながら、その後はマークされやすい脚質ということもあり、たくさんの敗戦も経験した。
それでもナイキアディライトは常に諦めず、毎年復活劇を演じた。3歳から7歳まで毎年重賞レースに優勝、その中には前走2ケタ着順からの復活が3つもある。
ただ、歓喜の瞬間のために。
ナイキアディライトは常に諦めない馬だった。

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ナイキアディライト

復活!船橋駿馬伝説 Vol.7
ネームヴァリュー

宝箱に財宝が入っていることは分かっている。
しかし、開ける鍵が無い。
例えるなら、ネームヴァリューはそんな馬だった。
JRAでは素質を認められながらも好走できる条件が限られ、最後は条件クラスで勝ったり負けたりという競馬が続いていた。
しかし、「鍵」は意外なところにあったのだ。
船橋競馬場という環境、ダート競馬という新天地、佐藤隆騎手というパートナー。
それらを手に入れたネームヴァリューは、2003年の帝王賞でG1という高みまで駆け上った。
これもまた、「船橋が生んだ名馬」だ。

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ネームヴァリュー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.8
フリオーソ

地方競馬を代表する現役馬は誰かと問われたら、ほとんどの競馬ファンはフリオーソの名を挙げることだろう。
500キロという馬体重以上に感じさせる迫力と風格。
自分の形に持ち込んだときの徹底した強さ。
JRAの強豪が相手でも「胸を貸す」と言い切れる存在だ。
G1レースを3勝、4億円以上の賞金を稼いでもなお、フリオーソの旅路はまだその半ばでしかない。
これからも船橋の、南関東の、地方競馬の、そして日本の代表馬であり続ける。

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フリオーソ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.9
マキバスナイパー

最初にマキバスナイパーを見たファンは、単なる風変わりなプロフィールの主としか思わなかったかもしれない。
現役時代条件馬に過ぎなかった父を持ち、道東の池田町という珍しい生産地の出身。
デビューは遅く、いきなり大活躍したわけでもなく、派手に目立つ存在ではなかった。
しかし、それは狙撃手が気配を消すのと同じことだったのだろう。
2001年の帝王賞、マキバスナイパーは満を持して引き金を引いた。
7番人気と低評価しか与えなかった観衆が愕然とする前で、彼の放った弾は、見事にビッグタイトルを射止めたのだった。

馬詳細データ
マキバスナイパー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.10
サプライズパワー

2歳の終わりに船橋へ転入してから、実に8歳の春まで。
南関東のトップクラスには、常にサプライズパワーの姿があった。
3歳時には三冠路線の主役として、そして古馬になってからはいぶし銀の存在として。
南関東の4競馬場すべてにおいて重賞レースに優勝し、積み上げた賞金は5億円以上。
激しさを増すダート戦線の中で、常に自分を見失わずに持てる力を発揮しつづける持続力。
それこそがサプライズパワーの持つ、驚嘆すべき力だった。

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サプライズパワー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.11
ラヴァリーフリッグ

言うなれば、北海道からたったひとり上京してきた少女。
そんなラヴァリーフリッグが南関東で女王となり、やがてマリーンCでJRA勢も下し、牝馬の頂点に立つ。
その傍らには、いつもパートナーの石崎隆之がいた。
北の地から来た可憐な少女と、いぶし銀のベテラン騎手。一見ミスマッチでありながら、実は最高のマリアージュ。
鞍上鞍下の見事なコンビネーションは、いまも南関東ファンの記憶に鮮明だ。

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ラヴァリーフリッグ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.12
ロッキータイガー

「ロッキーが来た。公営の星が来た。」
第5回ジャパンカップCの実況に日本中のファンは、鳥肌が立った。
皇帝シンボリルドルフに猛然と迫ってくる12番に目を奪われた。
結果は、惜しくも1馬身3/4差の2着。
ロッキータイガーと桑島孝春騎手はその瞬間、誰よりも輝いていた。
その証として優勝馬よりも大きな拍手と声援で迎えられたのだった。

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ロッキータイガー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.13
トムカウント

南関東の競馬が黄金時代を迎えた1980年代、初めて中央招待の競走となった第9回帝王賞で並みいる強豪を撃破したのは10番人気のトムカウントだった。
鞍上は若き日の石崎隆之騎手。
スタートから3番手をキープし、直線でインを急襲、人気馬を差しきった。
単勝万馬券の配当とともに矢のような脚はファンの記憶に刻まれている。

馬詳細データ
トムカウント

復活!船橋駿馬伝説 Vol.14
ジーナフォンテン

エンプレス杯が統一GⅡになって7年後の2003年、地方馬初制覇を成し遂げた女帝。
直線まで脚をため、先行馬を抜きさる爆発力は記憶に残る勝ち方だった。
その後船橋から中央へ巣立ち、再び船橋へ。南関東のファンを熱くさせた。
そんな彼女の初仔誕生のニュースが届いた。
瞬発力を受け継ぐ次代のスターのデビューが待ち遠しい。

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ジーナフォンテン

復活!船橋駿馬伝説 Vol.15
マキバサイレント

天皇賞出走まで半馬身差だった。1996年オールカマー。
中央G1馬2強対決と騒がれたレースでマキバサイレントは、G1を4勝の名馬マヤノトップガンに先着、3着に食い込んだ。快挙である。
しかし、あと半馬身伸びていれば2着となり秋の天皇賞という大舞台が待っていた。
胸が熱くなるもじつに悔しい僅差だった。

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マキバサイレント

復活!船橋駿馬伝説 Vol.16
ケーエフネプチュン

船橋が生んだ、南関東の女帝がケーエフネプチュン。
牝馬クラシック三冠で桜花賞2着、関東オークス1着、東京プリンセス1着と快走。
その後ロジータ記念1着など牝馬重賞にめっぽう強かった。通算成績も26戦13勝の勝率5割。
名馬アマゾンオペラと名勝負を繰り広げるなど、惜しまれながら、繁殖入りした。

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ケーエフネプチュン

復活!船橋駿馬伝説 Vol.17
アマゾンオペラ

伝説のマイラーと言えば、この馬の名前を挙げるひともいるだろう。
報知オールスターC3連覇の記録を紐解いてみると、馬齢を重ねるごとにタイムを縮めている。
不屈でタフネスな闘争心。それは通算50戦以上というもう1つの記録をつくりあげた。
石崎ジョッキーとのコンビでゴールを風のように駆け抜ける勇姿が今も忘れられない。

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アマゾンオペラ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.18
アジュディミツオー/アブクマポーロ

船橋の舞台は、いつの時代も最強馬を送り出してきた。
その筆頭はG1を5勝、地方馬初の海外遠征を成し遂げたアジュディミツオー。
内田騎手による引退ラストランは記憶に新しい。
もう一頭忘れてはならないのがJRA勢を相手に連勝街道を突っ走ったアブクマポーロ。
通算32戦23勝、3着連対率9割を超えるまさに無敵の王者だった。

アジュディミツオー
馬詳細データ

アブクマポーロ
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アジュディミツオー/アブクマポーロ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.19
ヤマノリアル

デビューから5連勝で99年関東オークスを制覇。
その後、2着をはさんで、重賞ロード4連勝。
張田京騎手とともにゴール板を駆け抜ける姿は、無敗を誇った母の父マルゼンスキーの勇姿を彷彿させる。
引退後は、北海道日高で繁殖入り。
2010年愛娘も南関東で初勝利。天才の血を受け継ぐ産駒の活躍が期待される。

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ヤマノリアル

復活!船橋駿馬伝説 Vol.20
サクラハイスピード

中央から船橋にやって来た快速の刺客。
鞍上に今は亡き名手の佐藤隆騎手を乗せ、94年95年東京盃を連覇。
好位をキープし、直線を向いた瞬間にスパートをかけて他馬を寄せ付けない見事な勝ちっぷりも2年連続だった。
父はトウショウボーイ。祖父はテスコボーイ。
往年のファンにとっては懐かしい名馬の血統だ。

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ヤマノリアル

復活!船橋駿馬伝説 Vol.21
ヒミツヘイキ

2002年、中央の3歳重賞ユニコ ーンSに船橋が送った刺客がいた。
その名もヒミツヘイキ。
中央馬に囲まれ、唯一の地方馬として参戦。
左海騎手が2番手につけ、あれよという間にゴール板を駆け抜けた。
後のG1馬、アサクサデンエンとイングランディーレを破る快挙だった。
10戦5勝。惜しまれながら2006年、競走生活を終え引退した。

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ヒミツヘイキ

復活!船橋駿馬伝説 Vol.22
プルザトリガー

05年NRA最優秀牝馬に輝いた女傑プルザトリガー。
引き金を引け!の名に似合わず遅咲きだった。
当初は無名に等しく、スパーキングレディーカップで11番人気で3着になると才能が一気に開花。
トゥインクルレディー賞、TCKディスタフを圧勝。名馬の仲間入りを果たした。
現在は繁殖牝馬として母親譲りの熱い気性をもった元気な産駒を輩出している。

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プルザトリガー

復活!船橋駿馬伝説 Vol.23
トーセンジョウオー

闘志あふれる気性も、牡馬に勝るとも劣らない体格も、まさに女傑の中の女傑だった。
奪った重賞タイトルは7つ。
マリーンカップ2勝など船橋での活躍はファンの心に刻まれている。
繁殖入り後、2010年には、ファンタスティックライトとの間に初仔を出産。
熱い闘志を受け継いた産駒たちの活躍を目にする日もまもなく来ることだろう。

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トーセンジョーオー